グローバル化が進む昨今、第二言語として英語を身に着けたいと思う方は非常に多いのではないでしょうか。
受験や学校での勉強、はたまたTOEICで詰込み型勉強をし、点数をとれても何故だか身に着かない。そんな疑問もここで解消します。
本ブログでは、英語を喋りたいと思っている方向けに
★ 効果的な勉強方法
★ 取得すべき英文法レベル
★ 英文法を学習する上での注意点
上記、3点について帰国子女である私が、日本での英語教育を6年間受け感じた違和感と共に説明致します。
早速、内容に移りましょう。
英文法を学ぶ重要性
英文法を学ぶことは、英会話や文章を書く上で非常に重要です。
理由は、英文法を正確に理解する事で、文章や口語を通じて相手とのコミュニケーションを理解する事が容易になるからです。
例えば筆者の周りでも、ビジネスで英語を使う方がいます。
ただ、聞いてみると語順がバラバラで取引先に全く通じないという痛いおじさんが結構いたりします。
要は、ルールを知らずに無理やりプレーしようとしているから伝わらないという事象をよく目撃します。
もし読者が、自分自身の英語力を向上させ、コミュニケーション能力を高めたいと思っているのあれば、まずは一番大切な英文法を学ぶ事をゴールにおいてほしいです。
メール・プレゼンテーションにおいて必須
初めに、英文法はビジネスにおける多様的なコミュニケーションツールにおいて重要な役割を果たします。
正確な英文法を用いることで、自分の意見や提案を相手に正確に伝えることができるからです。
例えば、メールやプレゼンテーションでは、誤解を与えないコミュニケーションを図ることができたり、提案を思い通りに伝える事が可能になります。
英文法がしっかりできていないと、トラブルやクレームに繋がる恐れがあります。
という私も商社の若手時代に、英文法の間違いでほろ苦い経験をしました。
当時、若手がデリバリー(貨物を納品先まで遅滞なく運用する業務)を担当しており、当時やり取りしていた仕入先と契約書締結前に貨物の引き渡し場所についてやり取りをしていました。
些細な英文法の間違いで契約締結時、話が違うという事で大クレーム発展した経験があります。
繰り返しになりますが、英文法を身に着ける事は、英語話者に対してスムーズなやり取りを行う上で必要不可欠なスキルです。
英会話において必須
英文法を理解できていなければ、そもそも英語話者と対等に会話する事が困難になります。
大きな理由に、英語を前から理解する事ができず、都度脳内で語順を並び替えて意味理解をしてしようとしまうので会話に取り残されたり、伝えたい事を伝えられないからです。
実際に例文を以下見てみましょう。
I want to practice tennis because I have the tournament at next Saturday.
(私はテニスを練習したいです、なぜならば次の土曜日に試合があるからです。)
日本人の多くは、英語の文章を聞くと一度日本語の文法に落とし込んで意味を理解しようとします。これを戻り訳すと言います。
一方、英文法を理解しておれば、英語を先頭から捉え、いちいち和訳しなくても単語さえ分かっていれば理解するが可能です。
つまり、上記例文を目で追った際に、俯瞰的に意味が理解できていればオッケー。一つ一つ意味を日本語へ変換してから意味を理解しているのであれば、すぐにでも英文法の勉強を始めましょう。
目指すべき文法レベル
英文法の復習をする際に、必要な英文法レベルは中学レベルを完璧にできるというのを目標にしましょう。
難解な英文法もありますが、ビジネスや日常会話で使用する英会話のほとんどは中学レベルの文法でカバーする事ができるからです。
それさえ理解できていれば、多少なりの品詞間違いがあったとしても英語話者との会話にはそれほど困らない筈です。
先述のメールやプレゼンテーションにおいては資料やデータと言う形で文法がはっきりと残ってしまいますが、口語においては文法と意図した単語さえ使用できていれば意思の疎通は十分図る事ができます。
従って、勉強をする際は徹底的に中学レベルの英文法教材を勉強し続けわざわざ並べ替える必要がないくらいのレベルで文法構造の理解に努めて頂きたいです。
英文法の勉強を始める前の事前準備
英文法の学習をスタートする際に、どれぐらいの時間をかけてやるのかと自分にあったテキストについて本章で話しをさせて頂きます。
ここをキッチリと決めておかなければ、惰性で勉強するだけでなく英文法を無意識で理解できるレベル感に到達する事ができず、結果的に英会話ができないという状態になる可能性があるからです。
具体的に見ていくと、一つ目は英文法を学習する上ではステップを踏むことが非常に大切です。
タイムマネジメントを怠ってしまうと結果的に暗記するために勉強する事になってしまいがちです。
二つ目は、テキストの選択や活用方法を間違ってしまうと効率の悪い勉強をしてしまう可能性があります。
これらについて、以降で詳細を説明致します。
英文法取得に必要な時間
毎日の勉強時間や個人差によりますが、おおよそ3か月程度で取得が可能です。ここでいう、英文法取得の定義は無意識に文法作成ができ、かつ他人に英文法を説明するレベルになることを言います。
理由は、英会話やビジネスにおいて、使用する英文法は限定的で基礎さえ理解しておけばオッケーだからです。
全ての英文法は5文型に落ち着くため、まずは3か月みっちり基礎を理解し、記憶し、無意識で使える・伝えられるレベルを目指しましょう。
英文法取得に最適な教材
一番重要な事は、教材を必ず一つに絞りましょう。
複数の文法書を使用しても、書かれている事は同じ為、無駄にあれもこれもと手を出して時間の浪費を避けて欲しいからです。
教材選びのポイントは、書店に実際足を運び内容を一通り見てみる事を筆者はオススメ致します。
自分の手で取ってやりやすいという教材を選ぶようにしましょう。
それでも、教材選びに迷っているという方は次で2つオススメ教材を紹介しているので参考にしてみてください。
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版(学研プラス)
出典:Amazon
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版』は、中学で学ぶ英文法を網羅的に纏めているかつ、文法毎に図解が入っており非常に分かりやすい教材です。
都内にある大人気の英会話教室を主宰している山田暢彦氏が監修しており、わかりやすい指導方法で評価を得ております。
筆者の魅力ポイントとしては、何よりも分かりやすい図解説明と簡潔な説明文です。スッと頭に入ってきます。
加えて、山田氏自身学生時代を米国で暮らしていたので小さい時から無意識で英語を喋る事ができた筈ですが、その無意識で英文法を捉えるという方法を本書でしっかり言語化している点も非常に評価しております。
書店で見かけましたら、是非一度手に取っていただき内容を見てみてください。
わんわんの芋づる式図解英単語(ソーテック社)
出典:Amazon
『わんわんの芋づる式図解英単語』は、英文法を包括的に学べる教材ではありませんが、英文法を暗記ではなくイメージで掴むという画期的な本ですので紹介致します。
著者のわんわん氏自体、日系企業勤めで20代後半から英語を独学で学習したそうですが、その際英語の品詞は暗記でなくイメージで覚える事の重要性に気づき本書を出版されたそうです。
本書の面白い点は、接頭辞や前置詞、動詞、助動詞等における特定単語のイメージを掴む事で、そのほかの単語が理解しやすくなるという事を詳しく解説してくれている本です。
筆者も初めて、手に取って本書を読んだ際、衝撃を受けました。英語ってこうやってひも解くとすごく面白いなと再実感させられた一冊です。
こちらもイメージを膨らます上で、書店で是非一度読んでほしいです。
英文法の学習要点
英文法学習における一番大切な事は、英文法の暗記をすると言うよりもイメージで掴み、英文法を知らない人に解説ができる事です。
何度か先述していますが、暗記であれば誰でもできます。
一方イメージを掴み他者に説明するのは、英文法の構造や背景、因果関係を把握していなければ中々できないからです。
例えば、"off" という前置詞は「離れる」という意味ですが、前につく単語によって意味が変わってくる品詞の一つです。
take off ・・・離陸する
Get off・・・降りる
Day off・・・休日
Cut off・・・切り落とす
上記について、意味を暗記するだけでは今までと同じで何も変わりません。
しかし、 "off”は「離れる」という意味のイメージが頭で描けている事で、その前の単語に対してどういった補足をしているのかが分かるようになります。
というわけで、英文法を学習する中で単純に暗記や理解をする事がゴールでなく、意味の裏側まで腹落ちさせる事が目指すべき姿となります。
基本的な学習方法
英文法の基礎的な学習方法は、教材を徹底的に読み込む・演習問題を解く・音読して発声するの3点に集約できます。
上記3点を取り組むことで、理解→暗記→無意識レベル(自動化)での理解に落とし込む事ができるからです。
日本で英文法を学習する際、冒頭2つは授業や受験勉強時に猛烈にやった方は多いのではないでしょうか。
日本人のバイリンガル率が低い理由は、学生時代に点数を取る事がメインでステップ2迄を徹底的に学習させられる為、あと一歩と言う所で会話に必要な英文法を身に着ける迄に至っていないという一つの理由があります。
要するに、上記3点について正しく行う事で、英会話ができるレベルの英文法を取得する事は可能になります。
自動化とは
単語・文法といった知識を無意識的・自動的に使用する事ができる能力のこと。いわゆる「英語脳」の事を指す。
教材の読み込みをする
初めに、理解する事重視で教材を読んでいきましょう。あまり、深く読み込まず小説を読む気持ちで読んでいきます。
理想は、2週間程度で1周できるとベストです。
目的としては、自身の英文法理解度を図る事と初回に負荷をかけず継続して勉強をしてもらいたいからです。
おそらく、初回はただただ読むだけなので「あー、こういうのあったな」とか「ここは主語によって、使い分けるのだっけ」となってしまうかと思いますが、それでも問題ありません。
要するに、全体像を把握する事に意識を向けて読み込んでいただければオッケーです。
演習問題を解く
使用している教材の演習問題のみを解き弱点・理解しきれていない文法を把握しましょう。
演習問題の数にもよりますが1週間程度でやり切るのが理想です。
1周目で教材を読み込んでいるので、その上で理解できていない文法パートを把握する為に行います。
実際解いてみると、頭で理解できている文法も多かったりしますので、そのパートに時間を割くのでなく克服したい文法に注力する事で効率的に文法を学んでいきましょう。
繰り返しになりますが、短期間で教材の演習問題を解いていきましょう。補足として、何度も繰り返して問題を解くのでなく一回だけ解くという事をオススメします。
音読する
教材に記載されている例文を発声しながら、読み上げましょう。タイミングは教材を読み込むときや演習問題を解いているときに音読する事です。
複数回声に出して読み上げてください。
理由としては、2点あります。
音読を行う事で
①英語を喋るという感覚を身に着けてもらいたいからです。
②英文法を自動化させるには、実際発声しながら脳に覚えさせる必要があるからです。
ここで筆者が取り組んでいたことを一つ紹介させていただきます。洗面台やトイレ、キッチンにポストイットで文法毎の英文を貼り付け、それを見ながら発声するという事をやっておりました。これをするだけで全然違って、発声をする事だけでなく文法構造を毎日考えるキッカケになりました。
改めて、英文=音読をするという意識付けをしましょう。音読をするだけで、劇的に英文法への理解度が変わってきます。
効果的な学習方法
基本的な学習方法に加えて、今から紹介する4つの勉強方法を組み合わせて行う事で勉強の質がさらに高まります。
前章で紹介した内容は、理解と暗記に焦点を当てた勉強方法です。皆さまも、過去にある程度実践してきた内容だと思います。
ただ、英文法を自動化させるには、もう一歩踏み込んでインプットとアウトプットの方法に取り組む必要があります。
確実に学習した英文法をモノにするには、アウトプットが必ず必要になりますので基本学習に加える形で勉強してみてください。
スラッシュ・リーディング
英文を言葉の塊毎にスラッシュ(/)で区切り、後ろから戻って訳す癖を治す勉強方法です。
この方法で、勉強する事でネイティブスピーカーと同じように英文の意味を前から理解する事ができるようになります。
例えば、以下の英文をスラッシュ・リーディングで区切って訳していきます。
Semiconductors, / which power everything / from mobile phones to military hardware / are necessary product / for our lives.
(半導体は / 全ての動力源である / 携帯から戦闘用機器に至るまで / 必要不可欠な製品 / 我々の生活に)
ネイティブスピーカーもしくはネイティブ脳に近い方は上記で意味を捉えていきます。
日本人の場合、「半導体は、携帯から戦闘用機器と言った全ての動力源であり、我々の生活に必要不可欠な製品である」と戻って訳す為、中々英語話者になれない一つの要因です。
区切る際は、以下品詞を目安に区切りましょう。
・接続詞
・前置詞
・副詞
※その他にもあります。
英文の並び替え
スラッシュ・リーディングで区切った英文を、バラバラにし並び替える事で、5文型や品詞を自動化できるレベルにする訓練です。
この訓練を反復して行う事で、会話の際瞬時に正しい語順に並び替える事ができるようになります。
何度も訓練すると英文の並び順的に、こうでなければ気持ち悪いと思えるようになってきます。
筆者のお勧めのやり方は、
(1)BCC News や Bloomberg等の英語ニュースサイトで自分のレベルに合った記事をピックアップ
(2)Wordなりメモ帳へコピペ
(3)スラッシュ・リーディングで分ける
(4)語順を誰かに並び替えてもらう。(一人であれば自分で並び替える)
(5)組み立てる
上記を反復してやるのが良いです。初回は意味を理解しながらゆっくり進め、徐々にスピードアップしていくことを推奨します。
英語で日記をつける
日々の出来事を英語で日記をつける事で、文法理解を深められると共に自分が使いやすいと思える表現を身に着けることができます。
日記をつける事で、文法を調べる癖がついたり、何度も英作文を書いていると自然と頭にインプットされます。
その結果、英会話の際もすぐにその英文法が出てくるようになるからです。
この方法は、誰でもすぐに取り組めることなので、携帯メモだったりノートにその日あった事を一文でも構わないので書いてみてください。
注意点としては、分からない文法や表現をしたようであれば、教材を確認しながら正しい文法で記録する事をオススメします。
人に文法を説明する
人に英文法を説明できるかで、自分自身の英文法理解度を図れます。
英文法と文法構造が違う日本語のみを喋る日本人に対して、一から十まで分かりやすく説明できるという事は完璧に英文法を理解していなければできないからです。
また、文法を説明する上でうまく説明できない所や相手に理解してもらえなかったとき、自分の弱点を再発見する事ができます。
アウトプットと振り返りの両方ができる学習方法なので、勉強した英文法は積極的に周りに共有するようにしましょう。
要は、人へ説明し理解してもらえるという事は、自分自身が理解できているからこそしっかりと言語化できている状態にあります。
完全に自分のモノにするのであれば、積極的に周囲の人へ英文法について説明できるようになりましょう。
英文法の学習で注意すべき点
ここまで、英文法の勉強方法について解説してきましたが、学習を進めていくうえで気を付けて欲しいポイントを4つ紹介致します。
英文法は、単語や発音と違って英語を使用する上でのルールみたいなものです。
従って、誤った勉強方法で学習してしまうと結局のところ英語が喋れないやなんちゃってスピーカーになってしまいがちだからです。
しっかりと注意点を理解の上で、勉強を進めてください。
計画的に勉強スケジュールを組むこと
1日に2時間も3時間も勉強するのはやめましょう。
英文法の勉強然り英語の勉強は、一朝一夕では身に着かないからです。勉強し始めは、やり足りないな位で毎日勉強する事を強くオススメします。
最初は、読書感覚で英文法の教材を2週間かけて読み切り、その後に演習問題を解く。
これを何度も繰り返しながら、効果的な勉強方法を取り入れていきましょう。
はじめは、毎日のスケジュールで30分~1時間程度で勉強時間を捻出する事を意識してみてください。
焦らずに、コツコツやれば誰でも英文法を自動化する事は出来るので、無理せず継続し続けてください。
暗記で詰め込まないこと
焦って勉強すると自ずと覚える事がゴールとなってしまい、暗記するという手段を取ってしまいがちです。
理由は、無理な勉強スケジュールを組むことで英文法の勉強がやっつけ仕事化してしまうからです。
先述の通り、英文法は理解→暗記→自動化というステップを踏むことで、日本人が陥りがちな戻って訳す習性を徐々に取り除いていきます。
それを、単純に覚えるという行為で埋め合わせようとするのは、今までの受験勉強や資格合格に向けた勉強方法と何ら変わりません。
というわけで、暗記にフォーカスした勉強は絶対に避けてください。
英語を前から理解すること
初めから、英文法を勉強する段階で英文の意味を前から理解する癖をつけるようにしましょう。
理由は1つで、初回からこれを意識して勉強している人としていない人では自動化ができるようになるまでの時間が圧倒的に違うからです。
具体的には、スラッシュ・リーディングで初めて英語の戻り訳す習性を無くす訓練をします。
しかし、もし早い段階から英文を戻り訳さないで前から英語の意味を捉える事を意識しておれば、躓きにくくなります。
つまり、スラッシュ・リーディングに取り組む前から、意識して英語を前から理解しようとする事で英語脳の形成を容易にしてくれます。
難しい英文法は無理して使わない
英会話における7割以上は、中学レベルの英文法で十分事足ります。
理由は1つで、難解な英文法はネイティブスピーカーですらあまり使わないからです。
学会や大学の授業等を受けておれば、しばしば使われるケースがあります。
しかし、日頃の会話やビジネス上において、難解な英文法に出会う事はほぼほぼありません。
そういった、文法に工数や労力を割くよりは単語取得に努める方がよっぽど良いので、そのような文法があれば構わず飛ばしましょう。
まとめ
最後に、英文法は英語を喋る上での出発点にあたります。
日本の学校教育や資格は穴埋め問題や選択式が非常に多い傾向にあり、多くの日本人は暗記して終わってしまいます。
英語はあくまで試験のために勉強しているからこそ、先進国でありながら英語話者が稀有な存在として扱われます。
前職でも、海外を相手に仕事をしているのに英語が喋られない同僚が非常に多かったです。
「全然私は日本で生きていくから大丈夫」と言う人は結構ですが、外部環境は時代の移り変わりと共にどんどん変わっていきます。
筆者は、「英語」という武器を一人でも多くの人に身に着けて頂き世界で戦える人材を増やしたいという思いがあります。
少しでも、本記事が皆さまのお役に立てたら幸いです。